Node.js作者の発言「人間がコードを書く時代は終わった」について思うこと
Ryan Dahlのポスト
2026年1月20日、Node.jsの作者として広く知られる
Ryan DahlがXでこんなポストをした。
日本語訳:
これまで何千回も言われてきたことだけど、自分の声も加えさせてほしい――人間がコードを書く時代は終わった。ソフトウェアエンジニアを自認する我々にとっては穏やかでない話だが、それでも事実だ。ソフトウェアエンジニアの仕事がなくなるという意味ではなく、プログラムのシンタックスを直接書くことはソフトウェアエンジニアの仕事ではなくなった、ということだ。
正直、内心ぎょっとした。
Ryanは Deno Land Inc. を共同創業し、Node.jsに代わる新しいJavaScript/TypeScriptランタイムである
Denoを作っている。僕はその会社でソフトウェアエンジニアとして働いている。自分の会社のCEOが「人間がコードを書く時代は終わった」と言っている。
ソフトウェアエンジニアとして、これまで通りのやり方を続けていたら何が起きるかわからない——最悪のケース、つまりレイオフだってありえるかもしれない——という危機感が頭をよぎった。
投稿から24時間ほどで約300万ビュー、2300+のリポスト、11000+のいいねを獲得している。かなりの反響だ。
せっかくなので、自分の考えを整理してみようと思った。
この数ヶ月で変わったこと
振り返ると、自分の働き方はこの数ヶ月でガラッと変わった。
以前は自分がコードを書き、AIはたまに相談する相手だった。今は逆だ。AIが運転席に座り、自分は助手席でナビゲーションをしている、そんな感覚で仕事をすることが増えた。
とはいえ、AIに任せっきりというわけでもない。自分にとってAIは「分身」に近い存在だ。自分が時間と手間をかければできそうなことを、適切な頼み方で十分なコンテキストを与えることで、疲労知らずでやってくれる相棒という感じ。たまに自分が時間をかけてもたどり着けなさそうなバグの原因を一撃で発見してくれる1、なんてこともあって、頼りになる。
自分の感覚だと、ゲームチェンジャーはOpus 4.5だった。Opus 4.5の登場以降、自分の頼れる相棒、分身になった。
この前提を踏まえて、Ryanの発言について思うことを書いていく。
「プログラミングのシンタックスを書く必要は減った」
これは確かにそう思う。
AIがコードを書いてくれるので、自分でコードを打ち込む機会は明らかに減った。
実装したい機能、修正したいバグについて、プランを練らせて、レビューして、実装して、レビューする。さすがに手直しなしということは少ないものの、同僚の書いたコードをレビューする、くらいの感覚で信頼できるレベルにはなってきたように思う。
「ソフトウェアエンジニアの役割が変わった」
これも同意。
ソフトウェアエンジニアの仕事の中から、「コードを書く」部分の比重が下がった。一方で、「あるべきアーキテクチャの指針を決める」「コードベースからは読み取れないコンテキストを整理し、与える」「期待する挙動を自動的・継続的に検証できる枠組みを整える」という側面が強まっているのは間違いない。
「人間がコードを書く時代は終わった」
こうして個別に分解して考えてみると、最初はぎょっとした「人間がコードを書く時代は終わった」という発言も、言い過ぎということもないのかな、と思い始めた。
少なくとも、僕自身の現在のプログラミングスタイルを見てみると、「ある機能を実装したい」となったときに、初手で自分からコードを書くことはほぼなくなった2。
まずAIにやってもらう。その後、自分で手直ししたほうが速いなと思ったらエディタを開いて自分で直す。変更量が多そうだったら、AIにまたお願いして、直してもらう。そんなスタイルでやっている。
「エディタを開いて自分で直す」は「AIにお願いする」に置き換えることができる。置き換えてしまったら、人間はもはやコードを書いていないことになる。
僕がコードを書く時代は、自分でも気づかないうちに終わっていたらしい。
おわりに
「人間がコードを書く時代は終わった」——半年前の自分なら反発したかもしれない3し、なんならRyanのポストを見たときも、最初は反発、というか困惑の感情があった。でも、今の自分の働き方を照らし合わせてみたら、むしろその通りかも、と思うようになった。
頭の中にある漠然としたアイデアを、信頼できて疲れ知らずの相棒と相談して、形にできる。この状況を楽しんでいきつつ、Ryanに「こいつは使える」と思ってもらえるよう、がんばっていきたい。
…この記事も、AIに書いてもらったドラフトを修正・加筆してできあがったものだ4。
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すぐ思い出せるところでいうと、Linuxのネットワーク周りの設定 (
nftables) がおかしくなっていてIPv6が疎通していなかった(そもそもIPv6が疎通していない、ということ自体も、いろいろな状況証拠を渡したら特定してくれた)のを、すぐに原因箇所を特定してくれたりした。nftablesには全然詳しくないのでかなり助かった
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少なくとも仕事では。趣味のプログラミングでは、最近は
Zigでシェルを作ってみる、という題材を
CodeCrafters でやっていて、そこでは自分でコードを書いている
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実際、反発していた。
AIでプログラミングが「楽しくなった」人たちと、少し違和感を抱く自分|magurotuna という記事を2025年6月19日にnoteに投稿している
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ジムで有酸素運動をしながらスマホのメモ帳に書きたい内容をざっくりまとめて、それを
Claude Code on the Webに渡して草稿を作成してもらう。その後、帰宅してから修正・加筆した。とはいえ、修正・加筆で2時間半くらいはかかっている